ヘレン・タフトが ホワイトハウスに住みだしたのは
おそらく1909年春のことだ。
夫のウィリアム・タフトが第27代合衆国大統領に選ばれたのだ。
ホワイトハウスに住むことになり、
その3階の居室から窓の外を眺めて彼女は何を思っただろうか。
サウスローンとよばれる南側に芝生がひろがり、馬車も行き交う道を越えてワシントンモニュメントが白く細く屹立し、
その向こうに沼が見えただろう。タイダル・ベースンだ。
ホワイトハウスは
9.11以前には、一般観光客も見学に入ることができた。
ステートディナーなどで国賓が迎え入れられるのが 北口。
中に入ってみると、この階は南の通称サウスローンからは
2階にあたる。レッドルームからはこの南側の芝生が
見下ろせる。そして、その向こうに、
思いのほかタイダルベースンが近くに見える。
今はちょうど正面にジェファソンメモリアルが見えるが、
1909年にはまだ存在してなかった。
リンカーンメモリアルも1922年に建てられたものだ。
現在ナショナルモールとよばれるこの一帯は、
当時はまだまだ茫々とした野原がひろがっていた
だけに違いない。
目の前にひろがる
春なのに寒々しい水面をみてヘレン・タフトは
数年前訪れた東京で見た川沿いで咲く桜並木を思い出していた。
と思われる。というのは、夫が大統領に就任して数日後には
公園管理者の陸軍の担当者に 桜を植える指示が出されているからだ。
その後 紆余曲折をへて,
とうとう1912年3月27日に
ヘレン・タフト大統領夫人はタイダルベースンの畔に桜を植樹した。
99年を経て今もなおその桜の木は今も残っている。
去年も満開に花を咲かせていた。今年はどうだろう。
ジェファソンメモリアルの対岸、灯籠のそばにある。
毎年ワシントンの桜祭りのとき、火がともされる石灯籠だ。
木の根元にヘレン・タフトと珍田大使夫人が植樹したと刻まれている高さ50センチほどの石碑が置いてあるから すぐわかる。
来年 2012年は 桜が植樹されて 100年になる。
桜が 日本から海を越えてワシントンに着くまでの話を
みなさんに知っていただきたくて このブログをはじめました。
話を書くばかりではありません。
プロジェクトもあります。
わたしたちは 花咲ばばと名乗っております。
花咲爺いは 枯れ木に花を咲かせたのですが、
花咲ばばたちは、絹の布に描かれた桜の老木に
和紙でつくった桜の花を咲かせます。
プロジェクトは 計画は年末にはじまったのですが、
実際にことが動き出したのは 先週です。
ご一緒に このプロジェクトが 成功するか、
あるいは計画倒れに終わってしまうか、お見守りください。
見るだけでなく 書き込みをしてお励ましいただけたら
もっと嬉しいです♪
白い雪にこれから訪れる春のピンクが花咲婆の象徴のようですね
応援しますよ~
できればその花びら私も作りたい!
昨日お婆の聖地とげぬき地蔵をぶらぶらお散歩
昔、境内に日本でただ一人の耳かき棒職人のお爺がせっせと耳かき棒を作っていたのですが代替わりをして若人がせっせと作っていました
元気な花びら世界中にもまき散らせて
投稿情報: 箱入りお婆 | 2011/01/31 20:32
先日、この記事を読んでタイダルベースンを散策しました。
5才くらいの若木あり、嵐で倒れたかなにかで樹勢を回復させたであろう老木あり、1本1本が愛おしく見えてきました。満開の花吹雪も美しいでしょうが、100年も維持管理し続けている人の心が美しいと思いました。
今度行ったら爺桜には日本酒を、若桜にはファンタでも献上しようかなぁ〜
花咲ばば様のご活動、楽しみにしています!
投稿情報: KENJI | 2011/02/15 11:06
ワシントンの桜は知名度抜群、すっかりワシントンの観光名物になりました。桜祭りや、いろいろな行事の積み重ねの努力の結果、あわいピンクのイメージが日本のイメージと重なって、やさしい親善の象徴になってほしいデス。
投稿情報: ワシントニアン | 2011/03/03 07:56